書評『仕事のアイデアはみんなドラえもんが教えてくれた』渡邊健太郎 著

書評, 思考法・考え方

<引用>

ひみつ道具は夢をかなえてくれる便利なものもあれば、ドラえもんでさえお手上げの、用途が今一つ不明で役に立たなさそうなものもある。

でも、そこで役立たずと切り捨てるのではなく、何か別のシチュエーションで使うことができないかと考えるのがのび太。1つの商品やサービスに様々な角度からスポットライトを当てて、多面的な観点から活用の可能性を探っていくわけです。これって優れたマーケッターやレボリューショナーと同じ発想法です。

のび太の発想は本当に自由です。動かない扇風機を見たらどうしますか?当然捨てますよね。でものび太の答えは 「暑くない日に使えるよ」。また、底に穴の開いたグラスを見つけたら?これも普通は捨てるでしょうけど、のび太は「何も飲みたくないときに置いておけばいい」。何もこの通りにやれと言っているのではなく、これくらい自由な発想が重要だと僕は思うのです。

結局、使う人の発想次第で、その商品やサービスが活かされることもあるし、逆に日の目を見ずにフェードアウトしてしまうこともある。ビジネスマンとしては、のび太の「使えないものを使えるようにする」という発想を身に付けることが、今もこれからの時代も求められていると言えるでしょう。

<書評>

動かない扇風機を見た時にどうするでしょうか?私の場合は、廃品回収に出して新しいものに買い替えると思います。

普通に考えると、用途を終えたものは捨てます。でも、それだとそこで「思考停止」になってしまっているのではないか、ということですね。

家の中で、使い終わったものを何か別の用途で流用してないか探してみました。すると、ジャムの空き瓶をペン立てに使っていたことを思い出しました。

これは、元々「ジャムを入れる」容器として使っていたガラス瓶を「ペンを立てる」という別の用途に使ったことになります。口が10cmくらいとそこそこ大きいので、ペンをたくさん立てることができ、ガラス瓶で重量があるため倒れることもないので重宝しています。

実際に故障してしまった電化製品などを、無理矢理使い回すかどうかは別にして、「何か他のことに使えるのではないか?」と考える癖をつけることは発想のトレーニングとして有効だと思います。

無理矢理使い回しはしなくても、使い方は「無理矢理にでも」ひねり出してみるという練習です。

どんな人が、どんな状況でなら喜んで使ってくれそうか。アイデアも数を出せばそのうちに、本当に使えるものが出てくるかもしれません。

「これはこういうもの。だからこうすれば良い」というのは、パターン認識だと思います。過去の経験の蓄積から、よく起こる出来事に対しては、「対応策」を準備しておけば、深く考えなくても対応できるようになります。

これは「脳の省エネ化」を図っていると考えても良いかもしれません。なぜなら、「考える」ということは、脳に非常に負担がかかる作業だからです。

例えば、丸一日、慣れない作業や業務、あるいは普段行っていない運動などを行った日があるとします。海外旅行なんかの非日常体験でもよいです。

その日は、普段からは考えられないくらい疲れを感じて、帰って布団の上に転がるやいなや、すぐに眠ってしまうのではないでしょうか。

これは、その慣れないことや非日常体験の状況に対応するために、脳が目まぐるしく回転して処理を行ったからではないかと思うのです。

逆に、毎日のルーチンワークのような行動だと、これほどまでには疲れを感じません。これは、脳が既にそのルーチンワークとなった行動に対しては、最適化されているからだと考えられます。脳のメモリをほとんど使わずに、その行動を行えるようになっているのだと思います。

 そうやって脳のメモリを解放して省エネ化することで、新しい事態に対応できる余裕を持たせておくのです。

でも私達は、折角、省エネ化して空けた脳のメモリ容量を、ずっと使わずに遊ばせたままにしてしまっていることが多いのではないでしょうか?

人間は基本的にラクをしたがる生き物ですから、意図的に自分に「負荷」をかけようとは思いません。動くときは「仕方なく」「必要に迫られて」のことが多いでしょう。

もしくはその面倒なことをすることで、何らかの「報酬」が得られる場合であれば、ようやく重い腰を上げて取り組むことができます。

報酬目当てという不純な動機であったとしても、脳にはある程度負荷をかけてやることで処理スピードが上がります。反対に、あまり遊ばせておくと処理能力も下がってしまうように思います。

「思考停止」は脳のメモリをそれ以上消費しないように、ストッパーがかかった状態とも言えます。でも、それ以上脳を使わないようにして、ずっと「エンジンはかかっているけれど、ブレーキを踏んでいる」ような、アイドリング状態にしておくのも、資源の無駄使いだと思います。その間もエネルギーは消費しているからです。

それならいっそのことエンジンを切ってしまう(眠る)、それができないなら何か「考える」ようにしたいところです。

そして何か考えるためにはやはり、「書いてみる」ことが良いです。何も書くことが思いつかなくても、とにかく書いているうちに、いろいろなことが頭に浮かんできます。書いているうちに、書くことで思考が進みます。

自分の脳のメモリが、今、精一杯高速回転しているか、余裕があるかを見極めて、余裕のあるアイドリング状態であれば、何かを「考える」タスクをぶち込んでやるようにしましょう。

それは、一度下りてきた思考停止の踏切が、上がるのを待ってその先に進むことです。

そこで行き止まりだと思っていた世界に、更に先の道があることを知ることができます。自分の手持ちの地図に新たな道を書き加えていくことができます。踏切を渡らなくても向こう側に行ける、思わぬ近道が見つかるかもしれません。

<今日の読書を行動に変えるための
個人的チャレンジシート>

1.この本を読んだ目的、ねらい

・ アイデアの発想法を学びたい

2. 読んでよかったこと、感じたこと

・実はのび太は起業家であるということが分かった

3. この本を読んで、自分は今から何をするか

・多面的な視点を心がけることや経験価値の大切さを学んだ

・自分の結論が「思考停止」ではないか疑ってみる

・もし、思考停止状態であればとにかく数多くのアイデアを出してみる

4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか

・多面的な視点と柔軟な解釈ができるようになっている

・ アイデアを出すことが苦にならなくなっている

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Posted by akaneko