書評『個性を捨てろ!型にはまれ!』三田紀房 著
<引用>
よく、仕事について「自分を表現するもの」のように考えている人が、それは大間違いである。仕事とは「他人の需要に応えるもの」だ。他人の需要に応えられなければ、お金にならないのだ。
僕が言いたいのは「人と違うこと」が個性ではない、ということだ。「誰かの役に立つ」あるいは「誰かに求められる」ということこそ、最大の個性だと思っている。
誰かの役に立ち、誰かに求められ、誰かから感謝されることが、その人に存在価値があり、また個性があるという証拠なのだ。
<書評>
自分の仕事の中でも、やりたくないことや、あまり気乗りがしないこともあれば、やっていて面白い仕事もあります。
自分が面白いから、やっているのが楽しいから、という理由でその仕事だけできれば幸せなのかもしれませんが、なかなかそううまくはいきません。
そして、やりたくないこと、苦手なこと、気が重くなる仕事、そういったものの方が実は業務上、重要な案件であったりすることも多いです。
理想としては、自分が「好き」であり、かつ、「得意」であり、さらに世の中の「ニーズ」があることを仕事とできるのが一番です。ただ、いきなりそういうものを見つけられる人の方が少ないでしょう。
だからまずは、先人が用意してくれている仕事のレール、「型」にはまってみて、言われたことに素直に取り組む。「これをやってくれ」と言われたことはつまり、「需要がある」ということ。そうやって素直に取り組む中にこそ、自分の個性というものに気づくことができる、とこの本では述べられています。
間違えてはいけないのは、順番は「他者が先、自分が後」ということ。他者から求められること、他者の役に立つことをまず第一に考える。自分のやりたいことはその後に考えるということです。
先に自分のやりたいことを前面に押し出して、それに合うような、世の中の需要を探してくることは、前者の場合よりも困難です。
仕事の本質は「誰かの役に立つこと」、「誰かに感謝されること」、「他者が先」。この立ち位置を忘れずに、自身の個性に磨きをかけていきたいです。その中で、自身の存在価値を今よりも強く認識できるようになり、自己実現も行えるはずです。
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