書評『早く正しく決める技術』出口治明 著
<引用>
「愚痴を言う。人を羨む。人に褒めてほしいと思う。人生を無駄に過ごしたかったらこの3つをどうぞ」という言葉を先日ツイッタ ー上で見かけました。
愚痴は何も生み出しません。済んだことは返りません。自分にはない能力や財産を他人が持っていることについて、羨んだり妬んだりしたところで、意味はありません。人に褒めてほしいがために行動するのは、自分の人生を人に委ねてしまっているようなものです。「天知る地知る我知る」であれば、それでいいではありませんか。自分を戒めるために、とてもいい言葉だなと思いました。
失敗するのが怖い人には、「失敗すれば多数派」という言葉を贈りたいと思います。人間の歴史をながめてみると、世界を変えようとして新たに行動した人の99%は討ち死にしています。
教科書に出てくるような偉人は、成功を成し遂げた1%の人だからこそ偉人なのであって、同じように世界を変えることを志していても無名のまま敗れ去っていった人がたくさんいるのです。
その偉人だって、成功までには数多くの失敗を経験しています。行動して失敗したら、それはあなたが多数派であったという、ただそれだけのことです。気に病む必要はまったくありません。「やはり、簡単ではなかった」というだけのことです。あるいは、エジソン流に言うなら「うまくいかない方法を発見した」だけのことです。
ただし、行動しなければ絶対に成功はありません。99%失敗するという現実を踏まえたうえで、それでも失敗を恐れない人々の1%の成功へのチャレンジが、実際に世界を変えてきたのです。
失敗するのが怖くて決められないという人は、歴史を勉強してください。伝記を読んでください。先輩達はみんなもっともっと失敗していることがわかるでしょう。
<書評>
人に認められたいから、褒めて欲しいから頑張る。自分の行動が認められると嬉しい。褒めてもらえると嬉しい。このような承認欲求を満たしたいという願望は、多かれ少なかれ誰にでもあるでしょう。
ネットの身近な例で言うと、フェイスブックで「いいね!」を押してもらえると嬉しいとか、はてなブログで「はてなスター」をもらえると嬉しいとか、アクセス数が増加すると嬉しいとか。
もちろん私も、書いたブログに対して何かの反応を頂けた時はやはり嬉しいです。反応がもらえると良いな、と思いながら情報発信を続けている、という一面もあります。
ただ、ここでも気をつけないといけないのは、人に「自分が頑張っている姿を認めてもらいたい」というところから、「目的がすり替わってしまう可能性」がある、ということです。
ブログを書いていて、たくさんの方が読んでくれたら嬉しい、人に承認してもらえたら嬉しい。あくまでそれはブログを書き続けることの副次的な効果です。(少なくとも私にとっては)。
もちろん、多くの人に読んでもらえるということは、それだけ発信している情報が、「有用」だと認められるものであることが多いです。ですから、人に対して有用な情報を発信したいという目的があって、その行動の結果として多くの人に評価されるのなら良いでしょう。
でも、自分の中で、他者からの評価を得ることの重要性の割合が余りに高くなってしまうと、その期待に応えようとして、評価されたい他者の意にそぐわない行動に対しては、自分から抑制をかけるようになってしまいます。
そうすると、何かの達成したい目標に向かって、本来なら、もっと大きく動けたはずの自分の行動が制限されてしまいます。
無意識のうちにサイドブレーキを引いたままで、アクセルを踏んで運転しているような状態でしょうか。この場合は、大きく失速していることになりますので、目的地まで到達する時間も大分長くなってしまうでしょう。あるいは、辿り着けないかもしれません。
車での例えを続けるなら、「他者からの評価を過度に求める」ということは、「自分の車のドライバーを他者に替わってもらって運転を任せる」ということなのだと思います。他者と自分では行きたい場所も、「駅」と「ショッピングモール」のようにそれぞれ違っていて当然です。
「50メートル先の交差点で左折して下さい。それから300メートル先の信号を右折して下さい。」と言ってくれる自分の「目標という名のカーナビ」を信じるか、あるいは「そこを左に行って、それから次も左。あ、やっぱり右がいい!」と助手席から口を挟んでくれる他者を信じるか。
自分の行動のコントロール感を失わないために、時々思い出して気をつけるようにしたいと思いました。
そして、これから何かに挑戦しようとしていて、失敗するのが怖い時には、「失敗すれば多数派」なのだ、「99%は討ち死にする」のだ、と考えれば、肩の力も良い感じに抜けてくるのではないかと思いました。
私たちはどうしても、たった1回のチャレンジで、「絶対に成功しなきゃ」と考えてしまいがちです。
少ない挑戦回数で成功したいのは山々ですが、毎回100%の確率で成功できる人はいません。プロ野球の選手でも打率10割どころか3割台です。
これまでの人生で、どれだけの失敗、もとい、「うまくいかない方法を発見してきた」でしょうか。
私自身はまだまだ「うまくいかない方法のコレクション」の数が全然足りていないので、これから探しに出かけます。
書いているうちに思い出したのですが、私の好きな歌の1つにDREAMS COME TRUEの『何度でも』という曲があります。
最後に、この曲の歌詞の一節をご紹介させて下さい。
10000回だめで かっこ悪くても
10001回目は 何か 変わるかもしれない
<今日の読書を行動に変えるための
個人的チャレンジシート>
1.この本を読んだ目的、ねらい
・早く決断するための方法を学ぶ
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・決断するのに必要な情報がわかった
・直感の大切さと、それを磨く方法を学んだ
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・直感を磨くための行動を続ける
・自分の行動のコントロールを他者任せにしてしまわないよう気をつける
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・決断のスピードが早くなった結果、行動の量とスピードも倍以上になっている
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