書評『かばんはハンカチの上に置きなさい トップ営業がやっている小さなルール』川田修 著
<引用>
当時、リクルートからプルデンシャル生命への転職が決まっていた頃のこと。これまでは一定の収入を常に約束されていたサラリーマンという立場から、フルコミッションの、いわゆる個人事業主的な職業の世界に足を踏み入れることは、それはそれはもう、不安以外の何ものでもありませんでした。
自分はつらいことから逃げてしまうのではないだろうか。いや、でももう逃げることはできない。でもやっぱり、逃げてしまうのではないだろうか。こんなことを堂々めぐり、考えてしまうのです。つらいことから逃げてしまう「弱い自分」を知っているだけに、その底のない不安な感情を行ったりきたり。
当時、前職のお客様に書道家の先生がいらっしゃったので、そんな自分にピッタリの書を書いてもらいました。それは次の言葉です。
「楽か楽しいか」
楽とは、つらいことから逃げて得られるもの。一方の、楽しいとは、つらいことを乗り越えてこそ、得られるもの。「楽ではなく、楽しいほうを目指さないといけない」という自分への戒めとして。
15年たった今も、私のデスクのある職場のブースには、この書が掲げてあります。ついつい楽なほうに逃げてしまう自分を知っているので、この書は自分にとっての考え方や行動の指針です。
そもそも、人は誰でも、楽なほうに逃げてしまう生き物だと思います。そして、それではいけないということもちゃんとわかっている。迷ったときに、折れそうになったときに、こういうものを支えに、つらいことに立ち向かって、楽しい境地を目指すのだと思います。
何度も言っていますが、私は弱いです。きっと皆さんもそうでしょう。皆同じだから、弱くてかっこ悪くてもいいと思うのです。むしろ弱い自分を認めて、かっこ悪い自分をよしとして、それに対して淡々と手を打つことのほうが、とても大切なんだと思います。
<書評>
自分の中にある、失敗を恐れる心。失敗したらカッコ悪い、恥ずかしいと思う心。そういった心を強がって、無理矢理隠そうとするのではなく、「認めてやる」ことがまずは大切だと述べられています。
恐怖心や羞恥心を抑えつけたまま行動を始めても、困難に出くわした時に、それまで抑えていたそれらの感情が顔を出してきてしまいます。
すると、自分が一時的にでも傷つかずに済む、「楽」な道の方に流されて、そちらを選択してしまうことになります。
これらの感情は、無理矢理捕獲して心の籠の中に閉じ込めた猛獣のようなものですから、何かのきっかけで、一端、籠から飛び出してしまうと、再び手なずけて、籠に戻すことが難しいのです。
だから、そういった恐怖心や羞恥心に対しても、最初に、「ここにいてもいいよ」と言ってやる。紛れも無い自分の一部だと認めてやる。
居場所を得た猛獣は、うなり声をあげるのを止めて、少し、落ち着いてくれるでしょう。
これでようやく挑戦するためのスタートラインに立てたことになります。
そこで改めて、「楽」な道を選ぶか、それとも「つらいの先にある楽しい境地」を目指すかを考えます。
「楽」な道を選んで得られるのは一時的な「安心」です。「楽しい」を目指す道を選んで得られるのは、「困難」と、その先にある「成長」です。
どちらの道を進むことを選んでも、「恐怖心」や「羞恥心」という獣たちは、常に私たちと一緒についてきます。私達の一部ですからいなくなることはありません。
ただ、「楽しい」を目指す道を選んで、いつしかその困難を乗り越えた時、振り返るってみると、最初「ライオン」のように猛り狂っていた自分の中の猛獣は、「子猫」のように小さく可愛らしくなっているかもしれません。
挑戦する前はあんなに怖かったのに、喉元を過ぎてしまうと、もうそれほどではなくなった気がする。
その前後の差を感じ取ることができたなら、それが「成長した」ということなのだと思います。
自分は「弱い」、「カッコ悪い」、「できが悪い」。それでもいいじゃないですか。
それでも、挑戦したいんでしょう?目の前の壁を乗り越えた先にある景色を見てみたいんでしょう?
だったら、泥臭いやり方でもいいから、馬鹿にされてもいいから前に進みましょう。
今、ここに佇んでいるだけでは、何も変わりません。変わるとしたら自分の中の恐怖心のライオンがますます大きくなってしまうことでしょうか。
このブログでは、私が読書を通して得た、自分自身を叱咤激励、鼓舞して前に進ませるための言葉を集めています。
それはこれから私が百戦錬磨の「猛獣使い」を目指していく上で、きっと役立ってくれるのではないかと思っています。
<今日の読書を行動に変えるための
個人的チャレンジシート>
1.この本を読んだ目的、ねらい
・ トップ営業の考え方、行動を学ぶ
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・マイナスな状況を前向きにとらえる方法を学んだ
・プロとして、プライドを持つこととプライドを捨てることの大切さを学んだ
・小さな違いの積み重ねが圧倒的な差を生むことを学んだ
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・「楽しい」を目指す道を選ぶ
・弱い自分でも挑戦できる方法を探す
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・現時点からの自分の成長を感じ取れるようになっている
・仕事の中で嬉し泣きすることができるくらい、真剣に仕事に取り組んでいる
・猛獣使い「見習い」くらいにはなっている
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません