書評『迷ったら、二つとも買え! シマジ流 無駄遣いのススメ』島地勝彦 著
<引用>
教養を高めるための原動力は、やはり「好奇心」だ。好奇心がなければ、未知のものに触れてみようという気持ちは湧いてこない。
教養を高めるためには常に好奇心を保つ必要がある。では、好奇心を保つにはどうすればいいのだろうか。
好奇心を失わずに済む方法がある。それは、うまいものを食べようという気持ちを常に持つことだ。食欲というのは、人間の最も根源的な欲望のひとつである。
食の感動は見事に好奇心を呼び覚ます。1本900円の牛乳は、確かにスーパーの牛乳売り場に並んでいるパック入り牛乳のプライスタグからすれば、もうぼったくりかと思えるかのような高額商品だが、その味に感動したことによって、好奇心が目覚めた。それだけで、もう十分におつりがくる。
いろいろおいしいものを食べ、かつ飲むということを繰り返しているうちに、好奇心の芽はどんどん大きく育っていくに違いない。
また、ここで出会った牛乳の話を、君は必ずどこかで誰かに話すだろう。その話は会議や商談の場での緊張をほぐすアイスブレイカーになるかもしれないし、好きな人の関心を引くきっかけになるかもしれない。いずれにしても、君はきっと「話題が豊富な人」という、周りからの評判を得るだろう。
そして何よりも、おいしいものを食べ、かつ飲むという行為は、口中の粘膜を通じて、脳みそを刺激する。脳みそが刺激されれば、仕事も一段とはかどるだろう。素晴らしいアイデアがどんどん湧き出て、それが次の仕事につながるきっかけをももたらす。
これだけの効用があるのだから、1本900円程度にケチケチしてはいけない。それは、明日のビジネスにつながる“〝栄養源”〟でもあるのだ。
<書評>
好奇心を維持するために、おいしいものを食べる。なるほど、これは良いと思いました。
おいしいものが嫌いな人はいませんし、人によっては食べ物の好き嫌いがあっても、食べ物のジャンルは無数にありますから、誰でも好きな食べ物が見つかるので、取り組みやすいです。
自分の好物であれば、おいしいラーメンでも、おいしいカレーライスでも、おいしいパンでも、おいしいケーキでも良いわけです。
これらにはもちろん、「食べる楽しみ」もありますが、おいしいものが食べられる「お店を探す楽しみ」というものもあります。
そういったお店の情報は、テレビやネット、情報誌、知り合いに聞くなど、色々なルートで入手することができます。
でも、情報を元にイメージを膨らませて、ワクワクしながらお店に行ってみたからといって、必ずしも自分の期待するような満足を得ることができるとは限りません。
そのような場合でも、「このお店は味がいまいち」、「店員の態度が気になる」、「店内があまりきれいではない」などの自分の中の評価の基準を、より磨き上げるための情報を蓄積することができます。
そうやって情報を集めて比較基準を磨いていると、自分の中での基準を超える「大ヒット」するようなおいしいものを食べられるお店に出会えた時の感動が深まるのではないかと思います。
そしてその感動が「またこのお店に来たい」という気持ちを呼び起こすのと同時に、再びこのような感動を味わうために「他にもおいしいお店を探したい」という欲求も生み出します。
つまり、ここまでくると好奇心が次の行動を呼び起こす良いループに入っているのだと思います。
実体験に基づくおいしいお店の情報は、人と話す時にも気軽に提供できますし、喜ばれますね。
私は学生時代、ラーメンが好きだったので、友達と色々情報交換して、新しいお店を発掘してよく食べに行っていました。おいしいと評判の豚骨ラーメンを食べに行くためだけに、片道1時間くらいかけて夜中にドライブしたりもしました。
けれども最近は、そこまで食べ物に情熱を燃やさなくなってしまっていました。それに加えて、大抵のチェーン店でも味の質が上がって、そんなに露骨にまずいお店に出くわす機会も減ったように思います。そのため、食べ物に関しては、ほどほどに満足してしまっていたのだと思います。
でも、おいしいものを食べることで脳が刺激されて良いアイデアも出てくるなら、これを機に、意図的にもっと色々なお店に入ってみるようにしようと思いました。
好奇心は教養に限らず、最高の駆動力になると思います。自分の知的好奇心を刺激し続けるための、こんなに簡単な方法があったのかと、目から鱗が落ちる気がしました。
<今日の読書を行動に変えるための
個人的チャレンジシート>
1.この本を読んだ目的、ねらい
・文化、教養、センスを身につけるヒントを得ること
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・無駄遣いの喜びを知った人間は心に余裕ができ、歳をとった時に味わいのある顔になっていくという考え方を知った
・無駄遣いを繰り返していれば、徐々にセンスが身についてくるという考え方を知った
・お金はストックするのではなくフローさせることに価値がある、という考え方を知った
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・好奇心を養うため、週末のランチには、行ったことのない新しいお店を開拓していく
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・自分の中の知的好奇心がいつも高い状態に保たれている
・ 仕事のアイデアがあふれ出してくる
・自分のおいしいお店リストに3件、お気に入りのお店が増えている
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