書評『30代のための「おやっと」ノート』長谷川和廣 著
<引用>
残念ながら、自分でツキを直接コントロールすることは不可能です。どんなに工夫をしたところで、サイコロで六の目が出る確率は1/6しかないのです。
では、確率は変わらないのに、ツキのある人とない人がいるのはなぜか。それは幸運が舞い込んできたとき、そのチャンスを活かす準備ができているかどうかで差が出るのです。
サイコロの六の目が幸運だとすると、誰にでも六回に一回は幸運が巡ってきます。もちろん六回振っただけでは確率にブレが生じる可能性はありますが、六〇〇回振れば、誰でも平均一〇〇回はそのチャンスが訪れます。これは全員に平等です。
ただ、その幸運と、ゲームで六の目を活かせるかどうかは別の話。せっかくいい目を出しても、それを活かす戦略がなかったり、ゲームを途中で投げ出したら宝の持ち腐れ。慌てて対応を考えているうちに、次の人がサイコロを振ってゲームオーバーです。
つまり実際のゲームのように、ビジネスの現場では、何の準備もしていなかったがために、自ら幸運を手放したり、幸運が舞い込んだことにも気づかない人が少なくありません。本来、ツキは平等に巡ってくるはずなのに、ツイている人といない人がいるのは、人によって準備のレベルに差があるからなのです。
ツキは誰にでも等しく訪れるように、準備の機会も平等です。ツキは自分でコントロールできなくても、準備のレベルは自分で高めることができます。運を逃したくなければ、それ相応の備えをすればいいのです。ところが、失敗を不運のせいにする人に限って、ろくに準備をしていません。
かたわらから見ていてツイているように思える人も、本当は特別に幸運なわけではなく、幸運を逃さないための準備ができているだけです。そこに気がつけば、あなたも運を味方にすることができるのです。
<書評>
昨日のブログでも、運について取り上げましたが、今日も運を味方につけるためのお話です。
昨日取り上げた本とは違う著者が書かれている本ですが、全く同じようなことを述べられています。
「運はそれに対する準備を行っている者だけがつかむことができる」と。
サイコロとゲームの例えは分かりやすいですね。サイコロの目は誰に対しても平等。でも、出た目を活かせるかどうかは自分の準備次第。
昨日、他責とするか自責とするか、という点について書きましたが、今回の本では別の大切な視点についても触れられています。
それは、「自分のコントロールできることに集中する」ということです。
サイコロを振って6の目が出るかどうかは振ってみないとわかりません。6の目が出るように祈ることはできますが、できることはそれくらいです。出る目が必ず6になるようにコントロールすることはできません。
でも、仮に6の目が出た場合の、その後の自分の対応はあらかじめ決めておくことができます。準備をしておくことができます。
もう1つ例え話を出すとするなら、「テスト勉強でヤマを張っておく場合」などを考えると分かりやすいかもしれません。
試験の出題範囲が膨大な場合、勉強時間には限りがありますから、ある程度、毎年出題されるような重要な問題と、そうでない問題とを選別する必要があります。
そして、重要な問題については、出題されたら確実に解けるように、しっかりと準備をしておきます。
実際に重要な問題の中のどの問題が、当日の試験に出題されるのかは分かりません。そこは自分ではコントロールできないところだからです。
でも、重要な問題が出題されたら確実に解けるように、練習して準備しておくことは可能なはずです。これは自分でコントロールできることだからです。
そして、重要な問題が出たら確実に解けるように練習してきた人と、一部の問題しか練習していない人を比較した場合、どちらがその試験に受かりやすいでしょうか。運をつかみやすいでしょうか。もちろん前者ですよね。
何事においても、「微差の積み重ねが、絶対差につながる」ということを、自戒を込めて、忘れないようにしたいと思います。
微差を積み重ねる人は、運をつかみやすくなり、そして運をつかむ度に、加速度的に成長していきます。従って、つかんだ運の数だけ、周囲とは圧倒的な差が開いていくのではないでしょうか。
そのために私たちができることとして、考え方としては「他責ではなく、自責で考えること」があり、行動としては、「自分のコントロールできることに集中して粛々と準備を進める」ということがあるのだと思いました。
<今日の読書を行動に変えるための
個人的チャレンジシート>
1.この本を読んだ目的、ねらい
・成長するために、30代のうちに身につけておくべき考え方とやっておくべき行動を知る
2. 読んでよかったこと、感じたこと
・運の取り扱いについて理解を深めることができた
3. この本を読んで、自分は今から何をするか
・今後やりたいことや、問題が発生しそうなことなどについて、今からできることは、前倒しで少しずつ準備していく
4. 3か月後には何をするか、どうなっていたいか
・前倒しで準備する習慣が身につき、目の前に来た運を逃さないくらいまで、準備のレベルが高まっている
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