書評『アイデアは交差点から生まれる イノベーションを量産する「メディチ・エフェクトの起こし方」』フランス・ヨハンソン 著
<引用>
なぜ成功したイノベーターは大量のアイデアの生産者でもあるのか?カリフォルニア大学デイビス校の心理学者ディーン・サイモントンは『天才の起源』(原題:Origins of Genius)という大きな影響を及ぼした本のなかで、成功と多作との関係についてこう説明する。イノベーターは成功したから多くを生み出すのではなく、多くを生み出すから成功したのだ、と。いいかえれば、量が質を生むということだ。
サイモントンは、量と質の間には実際に相関関係が存在することを実証した。たとえばある科学者のもっとも優れた論文三本の引用回数は、その科学者が発表した論文の数に比例する。いいかえれば、もっとも画期的な論文を書く科学者は、もっとも多くの論文を書く科学者でもあるのだ。これと同様の調査を違う方法で何回行ってみても、結果は同じだった。
科学者が画期的な論文を書く時期はまちまちで規則性がなく、キャリア全体にわたっていた。ただ、画期的な論文が生まれる確率は、数多くの論文を執筆しているときにもっとも高くなる。科学者が生涯で最高の仕事をして並外れた貢献をするのは、もっとも多くの論文を書いているときだというわけだ。ちなみにこの時期には、その科学者がもっとも不出来な論文を書く確率も高くなる。これは創造性の偶発的な特徴を考えれば容易に想像できるだろう。
サイモントンはこの量と質の相関関係が芸術家にも当てはまることを突きとめた。たとえばクラシック音楽の作曲家が数多くの傑作を生み出した時期は、たくさんの失敗作を生んだ時期でもある。ある人間が画期的なアイデアを生み出したからといって、その人が同じことをやってのける確率が高まるわけではない。方法があるとすれば、それは継続してアイデアを出しつづけることに尽きる。だからこそ世のイノベーターたちは、かくも生産的なのだ。
<書評>
量が質を生む。特にたくさんのアウトプットを出すほど、その中に素晴らしいものが生まれる可能性は高まるようです。
ただ、経験を積んだ後の方が傑作が生まれやすい、ということではないようです。(もちろん1つ1つの質は高まっているまずですが)。とにかくたくさんのアウトプットをしている時期こそが、玉石混交の中にも1番多くの玉を拾い出すことができるようです。
「量が質に転化する」、という考え方はとても好きなのですが、この「量」というのは、アウトプットの量であるというところに気をつけないといけません。読書の場合も、例え100冊読んだところで、それはインプットに過ぎませんから、なんらかの形で、アウトプットしていくことと、そのアウトプットの量を増やしていくことが絶対に必要だと思います。
ですから、イノベーターのように生産性の高い仕事をしたいならば、選択肢は1択で「アウトプットの量を増やす」ことです。
かといっても、いきなり「100kgのウエイトを持ち上げてやろう!」というのは、潰れてしまいます。まずは、500gくらいの軽いダンベルを持ち上げることから始めます。500gのダンベルで地道な筋トレのようにアウトプットを続けて、その負荷が負荷と感じられなくなってきたら、今度は1kgくらいのダンベルに挑戦します。
日々淡々とアウトプットの筋トレを続けていると、あれもやってみたい、これもやってみたい、と目移りするアイデアも出てきます。
でも、多分それは今の自分では持ち上げられない重さのウエイトとであることが多いです。アイデアだけは忘れないようにノートに書き留めておいて、目の前のダンベルを今日も持ち上げることに集中します。
いつか、そのアイデアのウエイトを軽々と持ち上げられる日が来るのを楽しみにしながら、目の前のアウトプットを楽しんでいきます。
ちなみに私の今のウエイトは、「毎日ブログを書くこと」です。まだまだ軽々と持ち上げられているとは言い難いので、とにかくこれを続けること。そのうちに、書く量を増やしたり、別のテーマのブログなども書けるようになりたいと思っています。
後は、仕事を始めブログ以外のことでも、インプットよりもアウトプットを増やしていけるとよいですね。
「絶え間の無いアウトプット」を強く意識して、それが質を産んでくれるといいな、という淡い期待も抱きつつ、今日も、昨日よりも多くのアウトプットができるように頑張ります。
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